スマホとミリシタと
第5回はSoCをはじめとしたプロセッサの製造プロセスついて書いてみようと思います。
SoCの製造プロセスルールとは?
一般にプロセスルールは「半導体の製造における回路間の幅」の意で使われています。
最新の技術では5nmプロセスにて製造されている。
利点としては省電力化が挙げられており、トランジスタ内の配線距離が短くなる点などで熱損失が減り省電力となります。
また、同じパッケージサイズならより多くのトランジスタを載せられるのもポイントで、ここにAI処理用チップなどを入れたりできることからも高性能化が可能となります。
あとは歩留まり率の向上や、同一面積のシリコンウエハでより多くのチップを製造できる利点もあります。
技術的にはすごいものではあるが、PC用のCPUのようなある程度消費電力があるものではプロセスの微細化は非常に難しく、スマホ向けチップのように進んでいないのも現実です。
そのスマホ向けも5nmプロセスの次が出るのは少し時間が空くのかなと思います。
iPhone 4などに積まれたApple A4が45nmで、iPhone 12に積まれたApple A14が5nmとここ10年で配線幅は1/9にまで微細化されています。
トランジスタ数は1億個のA4に対してA14は118億個ですからね。凄いことです。
※プロセスルールの数字だけで性能を見てはいけないのは注意点で、厳密には配線密度なども重要。
Intel CPUが10nmプロセスなのに「7nm相当」などと言われたりするのはこのため。
主にIntelやSAMSUNGやTSMCなどが主なファウンドリーとなっています。
一般にプロセスルールが小さいほど高性能で低消費電力と言われるが、必ずしも「搭載したスマホの電池持ちが良い」とは限らないのが盲点です。
プロセスルールを微細化すればするほど回路設計は難しくなる。
特にリーク電流が発生する確率は指数関数的に高くなるので、プロセスルールが変わった直後の製品では熱問題がとり質されることも多いです。
ミリシタとSoCの製造プロセスルール
あまり気にする必要はないでしょう。
近年でも同一プロセッサで製造プロセスが異なったのはApple A9のSamsung 14nmとTSMC 16nmくらいなもので、性能差は14nmのほうが1%ほど平均して性能が良いという結果が出ています。
それ以外ではルールの世代をまたぐことはあっても、中身は別物となることが多く、単純な比較は不可能のように思います。
それでは